新規事業のアイデアは「アウトプットとディスカッション」でブラッシュアップする

アイデアは閃くだけではもちろん形にはなりません。妄想と風呂敷で広げるだけでも形になりません。しっかりとブラッシュアップしていくことは必要不可欠です。

ブラッシュアップの方法はもちろんありますが、閃きをアイデアとしてしっかり確立させるために、まず最初にすべきことはシンプルに「アウトプット」です。

①気軽にアウトプットしよう
②異なる価値観からアイデアを眺めよう
③ディスカッションで転回しよう


気軽にアウトプットしよう

閃きは自分の頭の中にあるだけではアイデアとはいえません。

これはあくまで新規事業の話です。事業の話なのです。自分の頭の中にだけあっても世界を変えることはできません。世界を変えるためのプロダクトを創ることはできません。

そのアイデアを作るためのチームメンバーを集めるためにも、社内で承認をとるためにも、圧倒的に共感してくれるエヴァンジェリスト・カスタマーを捕まえるためにも、多くの顧客を獲得するプロモーションを実施するためにも、「言語化」することは欠かせません

人間はそれぞれが異なる価値観を持つ生き物だからこそ、正しく言語化しなければあなたのアイデアは伝わらないのです。

では、なぜ伝わらないのか。その理由を理解するためにどうすればいいのか。それはシンプルにアウトプットすることです。つまり人に話すことです。まず話してみる。とにかく話してみる。

話すために閃きをアイデアに言語化する必要があります。そこで足りない部分はみえてきます。

他人に話してみれば、どこが響くのか。どこをもっと改善しなければならないのかがみえてきます。

アウトプットすることでみえたところを潰していけば、閃きをアイデアに昇華することができるのです。


異なる価値観からアイデアを眺めよう

自分で閃いたアイデアというのは、ともすれば明らかに失敗するような袋小路に迷い込んでも、これは絶対に成功すると思い込んでドツボにハマる可能性があります

目の前に丸いものがみえた時に、それは円であると思い込んでしまうと、円にしかみえません。しかし角度を変えた時、それは球にみえるかもしれませんし、円錐にみえるかもしれない。円柱にみえるかもしれません。

閃きをアイデアに昇華するために、異なる価値観でそれをみることは欠かせないのです。

それはシンプルに、多様な価値観を持つ人にアイデアを話すことに他なりません。人は皆異なる価値観を持つのですから、誰かに話すことは間違いなくそこからヒントを得ることができます


ディスカッションで転回しよう

そして他人からのフィードバックを受けましょう

フィードバックに対して「なぜ」を中心にした質問をし、ディスカッションを繰り返すことで、閃きはアイデアへと昇華していきます。多様な価値観で揉めば揉むほど、アイデアは尖っていくでしょう。

一方気をつけなければならないことは2つあります。

どうしても自分とは違う意見には左右されがちです。その全部を受け入れて折衷案のアイデアを作り上げてしまうことは、ブラッシュアップではありません。アイデアというのは尖らせてなんぼです。折衷案ほど面白くなく、イノベーティブでないアイデアはありません

また「浅いな」とか「そんなの誰も使わない」とかだけしか言ってこない人がいます。ドリームキラーといわれる人種で、何の得にもならないのに誰かの夢を殺す言動を繰り返す人たちです。そういう人は無視しましょう。ドリームキラーの意見に惑わされてはいけません


どこまでいっても、そのアイデアで世界を変えるかどうかという判断をするのは自分自身です。

そのアイデアが世界を変えることにうまくいくかいかないかを判断するのは顧客です。

だから、アウトプットすることだけがアイデアをブラッシュアップするわけでも、誰かのフィードバックだけがアイデアをブラッシュアップするわけでもありません。

しかし、足りなくても臆することなくアウトプットすれば、必ず学びが得られます。アウトプットしなければ、何の学びもなく足踏みします。

まず気軽にアウトプットすることから始めましょう

ビジネスクリエイター、インキュベーター、アクセラレーター、コンサルタント。エンジニアとして、PHP/HTML/CSSのマークアップ言語によるWebサイトの制作、SEOエンジニアリング、アクセス解析アナリストを経験した後、IT領域の技術/潮流をベースとしたエスタブリッシュ企業向けのコンサルタントを経て、複数のIT企業にて、Web/アプリ系、O2O系、IPライツ系の新規事業立ち上げに注力。事業開発から経営企画業務まで、事業および会社立ち上げに関する業務を幅広く経験。また、シードフェーズのベンチャー複数社の立ち上げへの参画や経営戦略・組織戦略・PR戦略へのアドバイザリー、メンター、複数のアクセラレーションプログラムのメンターも手がける。