新規事業のアイデアは「競合調査」でブラッシュアップする

アイデアがある程度ブラッシュアップできてきたら、やるべきことは「競合調査」です。どんなに画期的だと思ったアイデアも、大抵の場合、他の誰かも思いついています

イノベーションの本質はアイデアを思いつくことではありません。アイデアを思いついた時に、実際に行動し始めるかどうか。そして、成功するまでその行動を続けられるかどうかです。

思いついたアイデアは、大抵他の誰かが行動し始めていることが多いので、まずはそれを調べていきましょう。

①検索して競合を知る
②競合が提供している価値を想像する
③TTP=徹底的にパクる


検索して競合を知る

大手企業の方が新規事業を提案してきたものに対してのメンタリングを幾度となく繰り返してきましたが、まあほとんどのケースで競合を知りません。

自社の提供している事業領域の中での新規事業のアイデアであっても、新興スタートアップのサービスを知らないケースがほとんどです。逆にその業界に明るくないメンターの方が知っているというケースも多分に見受けられます。

今の時代検索して手に入らない情報はほとんどありません。検索して情報を収集すれば、求める情報はいとも簡単に手に入ります。これを使わない手はありません

自分が思いついたアイデアを昇華させるために一番労力がかからない方法ですから、まず真っ先に検索しましょう


競合が提供している価値を想像する

競合には2種類あります。機能競合価値競合です。

機能競合はシンプルに自分たちと同じような仕様でサービスやプロダクトを提供しているもの。

価値競合は仕様や形態は全く別のものだが、同じような価値を提供しているもの。例えば、暇つぶしという価値を軸に考えるなら、週刊少年ジャンプとTwitterやTikTokは競合になります。

考えたアイデアが提供する本質的な価値が何なのか、それをどう表現していくのかを考え抜くために、それをゼロから考えるのも大変なものです。

競合が実際にそこで価値を提供している以上、それを参考にしない手はありません


TTP=徹底的にパクる

競合がうまくいっているのであれば、なぜ顧客に受け入れられているのか。なぜ流行っているのか。なぜ顧客が満足しているのか。

競合がうまくいっていないのであれば、なぜうまくいっていないのか。どうやったらうまくいくのか。

徹底的に調査し、徹底的に思考実験を繰り返しましょう

もちろん技術やデザインなど法的に守られているものを盗むことはいけないことです。しかし、アイデアに著作権はありません。アイデアに所有権はないのです。

競合は自分のためにPDCAを回してくれたとさえ思ってしまいましょう。そこから学びを得て自分のアイデアをブラッシュアップすることに活かしていきましょう。

自分以外の全ては自分のために存在する。それぐらいの感覚で挑む傲慢さは持ち合わせてもよいものです。


目の前に簡単にアイデアをブラッシュアップする方法はあるのです。

一番最初のアクションは、シンプルに考えましょう。シンプルに考えてできることから始めましょう。検索は誰にでもできることです。

もちろん「ググり力」がないと、競合に辿り着くことはできません。検索といっても探すためのテクニックはあります。しかしそれでもそれほど難しいことではないはずです。

新規事業の基本は「できることからコツコツ積み重ねる」ことです。簡単にできることは今すぐやってみましょう。

ビジネスクリエイター、インキュベーター、アクセラレーター、コンサルタント。エンジニアとして、PHP/HTML/CSSのマークアップ言語によるWebサイトの制作、SEOエンジニアリング、アクセス解析アナリストを経験した後、IT領域の技術/潮流をベースとしたエスタブリッシュ企業向けのコンサルタントを経て、複数のIT企業にて、Web/アプリ系、O2O系、IPライツ系の新規事業立ち上げに注力。事業開発から経営企画業務まで、事業および会社立ち上げに関する業務を幅広く経験。また、シードフェーズのベンチャー複数社の立ち上げへの参画や経営戦略・組織戦略・PR戦略へのアドバイザリー、メンター、複数のアクセラレーションプログラムのメンターも手がける。