新規事業に設定されるゴールは、時系列でいうと10〜20年先に、その企業にとっての事業の柱となっていることを設定されるケースが多くあります。それを考慮した時に、アイデアをどう考えるかが見えてきます。
いわゆるロジカル思考やマーケティング思考というものによってたつと、それはエビデンスとロジックに基づいて、アイデアを考えることになります。
エビデンスとロジックがあれば、確かに判断はしやすい。過去に起きたことなので、既存事業の経験値があれば判断ができます。
しかし、それはあくまで過去のデータや実績に基づくものになります。効率的にモノを売るということに関していえば、それで良いでしょう。しかし新規事業というのは、10〜20年先に今はまだないモノをうみだすことに他なりません。
エビデンスとロジックはある程度の成果に繋げることはできますが、「大ヒット」に至ることはなかなか難しいものです。それはエビデンスとロジックなら、競合他社も至ることのできる結論に基づいた事業創造、事業推進になってしまうからです。言い換えれば、過去の延長線上にあるなるべくしてなる未来にしか辿り着けないのです。
マーケティングとは本来ものを効率的に売ることではありません。マーケティングとは顧客の実像の洞察から「心のツボ」にアクセスし、未だ誰も見ぬ未来を定義することです。
人はロジックではなく心で動いています。過去の延長線上にないムーンショットを目指すなら、ロジックやデータではなく、アートな閃きと燃えるパッションとやらずにはいられない衝動が不可欠なのです。