アインシュタイン曰く「複利は宇宙でもっともパワフルな力」。
世界を変えるイノベーションを実現し、社会に大きなインパクトを成し遂げることを目指すなればこそ、この「パワフルな複利の力」を活かすことを考える必要があります。
イノベーションにおける「複利」とは、顧客(ユーザ)そのもの。顧客の拡大をどう成し遂げるか。そして、それは「ネットワーク外部性」のことを指し、最近はこれは「信用経済と熱量」なんて言い方をしたりもします。シンプルにいえば「ユーザが多ければ多いほど、コミュニティそのものの価値が高まる」という仕組みを作ること。
これからのサービスにおける体験設計には、コミュニティは欠かせません。ユーザがスマホを保持し、SNSを利用している現代において、コミュニティは、社会インフラの1つとなりました。それは、twitterやfacebook, instagramといったマスプラットフォームだけではなく、特定のカテゴリやマーケットに絞り込んだバーティカルなプラットフォームも、社会インフラとして成立します。
このコミュニティこそブランド価値そのものであり、それが強い競合優位性にも繋がるわけです。テクノロジーはコモディティ化し、機能はすぐに真似されされます。過去に蓄積した歴史という威光だけのブランド価値は世代を越えません。レッドオーシャンのマーケットで、ブルーオーシャンを見出すためにも、コミュニティは欠かせません。
顧客の拡大にも、顧客のエンゲージメントを高めるためにも、そして何より顧客の成功(カスタマーサクセス)のためにも、「複利」を利用することは必要となるのです。
そこには単一の解はもちろんありません。市場、製品の性質、ターゲットのデモグラやサイコグラフィクスによって、解はまったく異なるものになります。その道は決して平坦ではありませんが、それを成し遂げた未来はとてもエキサイティングなものになると信じる価値があります。
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