スタートアップや新規事業などのイノベーションを失敗させる一番大きな要因は思い込みです。人生で積み重ねてきた偏見が物事の真実からあなたを遠ざけます。
かのアインシュタインも「常識とは18歳までに身につけた偏見のコレクションである」と言っています。人にはアンコンシャス・バイアスと呼ばれる自分自身が気づいていないものの見方や捉え方のゆがみ・偏りがあり、これがイノベーションを大きく阻害する要因になります。
イノベーションとはまさにみんなが常識だと思っているが実はそうではないものを見出すことから始まります。それを常識だという偏見を持ってみてしまっては、そこにイノベーションの種を見出すことができません。
アイデアに対するよくある外すべきバイアスをご紹介します。特にアイデアを評価する側はこのバイアスに気をつけて評価をしないと、破壊的イノベーションの種をみすみす見過ごすことになってしまいます。
■理解できないアイデア
優秀な人に限ってなぜか自分が知っている世界が世界の全てだと思い込んでしまう傾向が現れます。それゆえに自分が理解できないことを馬鹿にしてしまう。
自分が知らない、理解できないところにも当然のように世界は存在するのですから、理解できないことは理解できないなりにどう評価するかを考え、挑戦を阻害しないことが重要です。
■退屈なアイデア
業界の奥深くにこびりついたようなオペレーションの経年劣化を解決するアイデアは、確かにピッチとしての派手さは感じられず、退屈なアイデアに見えるでしょう。
しかし、退屈であるからこそ誰も解決せずにそこに課題が残り続けているのです。これに取り組めば、間違いなく大きなイノベーションへと繋がるでしょう。
■面倒そうなアイデア
これまでの経験から明らかに着手がしにくいアイデアは拒絶がされがちです。確かに明らかに手間が大きいことに取り組むよりも、もっと簡単に売上が上がる方法をとるべきだという論はごもっともな部分はあります。
しかし、難しいことがたくさんあるから誰も着手していないのだとしたら、それはビジネスチャンスに他ならないことも真実です。無意識のうちに遠ざかってしまう面倒臭さを多くの人が感じているのであればなおのことです。
■野心的なアイデア
とてもじゃないけど倒せそうにない競合に挑んだり、法律の規制の壁を突破するなどとてつもなく野心的なアイデアを掲げた場合に、「土台無理な話だ」と突き放してはいませんか?
確かに今は無理かもしれません。しかしいつか可能になることがあることは、すべてのイノベーションの歴史が証明しています。そのいつかが訪れる瞬間に、起きた波を乗りこなすためにも、野心的なアイデアには挑戦し続けていくことと、そのアイデアへの執念は大切にしなければなりません。
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