子育てと新規事業の両立に不安な私は、何を信じればいい?
Q. 母親として子育てや家事などがあるため、フルタイムの勤務が難しい中、新規事業のメンバーに抜擢されました。やりたい気持ちはあるのに、不安や自己否定の気持ちに押し潰されそうになります。「本当に両立できるのか?」「迷惑をかけるのでは?」という葛藤ばかりが募ります。自分を信じて前に進むには、何を拠り所にすれば良いのでしょうか?
- 不安とは「動いていないサイン」であり、まず行動を
- 経験・視点の違いがチームの噛み合わせを生み出す
- イノベーションに欲望は不可欠。全部手に入れろ
「不安」はあなたの敵ではなく、背中を押す味方である
「両立できるか?」 という問いは、すべてに真摯であろうとする素晴らしい姿勢だ。同時に、その問いが強くなるほど、思考の迷路に入り込みやすい。
しかし、どんなに思い悩もうとも、未来が動き出すことはない。 それは、思考が「動かない状態」を正当化してしまうからだ。
不安という感情は、「今、行動できていない」というサインだ。
何かを変えたければ、頭で考えるより先に、足を一歩前に出そう。
たとえ小さな一歩でも、風景は確実に変わる。 行動こそが不安を情報に変え、視界を拓く。
最初から完璧にこなす必要はない。 動きながら、学びながら、整えていけばいい。
燃え上がる情熱は、最初から持っていなくても構わない。 情熱とは”持つもの”ではなく、”育てるもの”だ。
動き続ける中で、あなたの中に火が灯る瞬間が必ず訪れるから。
「両立」という言葉の呪縛を、いまこの瞬間に壊そう
「家庭と仕事の両立」。 あまりにも多くの人が、この言葉に縛られている。
だが、両立とは、本当にバランスを取ることなのだろうか? 答えは「否」だ。バランスなど、幻想に過ぎない。
社会は、複雑系でありカオスだ。 人生の混沌の中に意味を見出すプロセスがイノベーションである。
うまく「両立」をすると考えることそのものが違う。 「全部を欲張る覚悟」を持てばいいだけだ。
仕事での成果、社会に対する貢献、子供の笑顔、パートナーとの時間、自分の成長——。
どれかを犠牲にするのではなく、すべてを追いかけよう。
人は「二兎を追う者は二兎を得ず」と言うが、それは「追った者」にだけ許される結果だ。 二兎を追わない者が、二兎に届くことはない。
そもそも、自分が幸せでないものが、他人を幸せにすることなどできない。 自分が幸せだからこそ、他人に幸せをお裾分けできるのだ。
イノベーションとは、他人を「より良い未来」という幸せに導くことそのものだ。 カスタマー・ハピネスを実現するのがイノベーションだ。
だからこそ、自分も幸せにならなければならない。 イノベーションに挑むなら、その全てを「欲張る」ことが、求められるベースのマインドセットなのだ。
あなたの「違和感」こそ、イノベーションの起点である
女性であること——そのことが、社会や組織の中で「疎外感」を感じることは多いだろう。 「ガラスの天井」は至る所にある。
しかしだからこそ、イノベーションにおいては、そこで感じる“違和感”こそが、世界を変える出発点となる。
なぜなら、イノベーションとは「既存の常識への違和感」から始まるからである。
今あるルールがしっくりこない、当たり前が窮屈に感じる——それは、あなたにしか見えない“世界のほころび”であり、そこにこそ新しい価値を創出する入り口がある。
違和感を感じる自分は、そのままでいい。 それは、世界を前に進める人だけが持つ特権だからだ。
男性社会だからこそ、女性が担える役割はある
イノベーションは、少人数での“全員野球”だ。
そこには、役職も性別も年齢も、もはや関係ない。 必要なのは、個人としての“視点”と“熱量”である。
一方で、既存の組織は、同質的な文化の中に、同質的な人を採用し、同質的な人に育てる傾向が非常に強い。
それは既存事業の売上・利益を達成するためには強固な文化醸成にはなり得るが、イノベーションの機会はなくなっていく。
イノベーションは、チームにおいては全員が同じ目線では成立しえない。
それぞれの違いが、歯車のように噛み合ってこそ、前に進む大きな力となる。
その意味で、女性が担う役割は極めて重要だ。
なぜなら、多くの大企業は未だに“男性社会”であり、そこに異なるリズムと視点を持ち込める存在である「女性」は、全体の流れを変える触媒になりえるのだ。
それはもちろん「女性」という意味ではなく、多様な「個」という意味合いで語るべきものであるが、男性社会だからこそ、多様性の1つである「女性」は必要なピースであり、それによって、強くしなやかなチームの構築に繋がっていく。
それを前提とするならば、「子供を産み、育てる」という女性にしかできない1つの社会における機能を、両立してイノベーションに取り組むことに対して、全力でサポートすることは、むしろ男性側に求められる責務ではないだろうか。
ビジョンを語れ。「私なら、できる」と叫べ
イノベーターとして踏み出すために必要なのは、“根拠のない自信”である。
「私にできるわけがない」と感じることは、イノベーションに挑めば必ず訪れる瞬間だ。 しかも何度も。
それが男性社会において挑もうとする女性であれば「両立」に不安を持つことも、容易に理解し共感できる。
だからこそ信じるのだ——“未来の自分”が、必ずできるようになっている可能性を。 それこそが「自信」なのだ。
その信念は、数字や計画ではなく、「ビジョン」から生まれる。
社会をどう変えたいのか?
誰を幸せにしたいのか?
それはどのような状態にあるのか?
理想像(ビジョン)と存在意義(パーパス)を、自分自身の言葉で描く。
誰もが驚くような、あなたにしか見えない“未来”を、今こそ語ろう。
経験は「差」ではなく、「資産」である
子育て、介護、体調、引っ越し、配偶者の転勤——。
あらゆるライフイベントが、女性のキャリアを揺るがす。 でも、それを“キャリアの断絶”と捉えるのではなく、“体験の蓄積”と見なそう。
過去の経験を「抽象化し、概念化し、構造化」する力。 それが身につけば、あらゆる経験が“資産”に変わる。失敗も迷いも、あなたの価値になる。
そしてなにより、それらの経験は、あなた自身を“顧客”にも“共感の発信者”にも変える。
その視点でしか創れないプロダクト、スキーム、サービスがある。 それこそが、あなたにしかできないイノベーションだ。
あなたが変わることで、未来は動き出す
世の中を変えたいと思うなら、まず自分の思考を変えよ。 行動を変えよ。問いを変えよ。
家庭も、仕事も、夢も、全部手に入れようとするあなたを、誰も笑うことはできない。
なぜなら、あなたの挑戦は、あなたの子供や仲間、次の世代の希望になるからだ。
「女性だから」と言われたときこそ、こう言い返してほしい。
「私だから、創れる未来があるんです」
あなたの中にある違和感と願いが、世界を変える光になる。
欲張っていこう。 すべてを手に入れるまで、挑戦を止めるな。
THE SEEDS 81
イノベーションの種を撒き散らかす手紙。
ピンキーが毎週お届けする、新規事業のヒントと思考実験。
Powered by Substack
