新規事業 サプリ

前例のないアイデアはどう選ぶ?

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前例のないアイデアはどう選ぶ?

Q. 新規事業が成功するかどうかなんて誰にも分からない中で、全く前例のないアイデアはどうやって選定すればいいのでしょうか?

  • ︎ 新規事業は「選ぶ」のではなく、「絞り込まれていく」もの
  • ︎ 判断基準は“正しさ”ではなく、“確信と覚悟”の強さである
  • ︎ 最初の選定基準は、「この未来を、自分が見たいか?」でいい

成功の可否が分からないのは、当たり前である

**新規事業の起点において、「この事業が成功するかどうか」は、誰にも分からない。**事業計画を精緻に組んでも、データを揃えても、未来の確度が高まるわけではない。

**なぜなら、新規事業とは「不確実性に立ち向かう挑戦」だからだ。**そもそも“分からないもの”を“分かるようにする”ために、仮説を立てて検証を繰り返すのが新規事業である。

したがって、「成功する可能性が高そうだから選ぶ」というアプローチそのものが幻想なのだ。 求めるべきは“精度の高い未来予測”ではなく、“問いの強さ”と“確信の強さ”である。

判断基準は「この問いに、どれだけ執着できるか」

選定とは、“確からしさの高い事業案を選ぶこと”ではない。“この問いに向き合い続けられるかどうか”を見極める営みである。

つまり、「この未来を創りたいか?」「この違和感を放っておけるか?」「顧客のこの声に、自分はどこまで執着できるか?」。この内側の“感情の強度”こそが、前例のないアイデアを選ぶ最大の判断基準となる。

問いが強ければ、行動が続く。 行動が続けば、検証の精度が上がる。検証の蓄積が、やがて「確信」になる。確信を帯びた言葉は、仲間や決裁者の心を動かす。“最初に選んだ問い”がすべての起点になるのだ。

「未来は楽観的に、現実は悲観的に」構想する

**前例のない事業に取り組むには、この構えが欠かせない。**未来は、誰よりも楽観的に妄想しよう。「こんな社会がきたら最高じゃないか」「このサービスが当たり前になったら、世界はもっと優しくなる」と、自分の欲望をむき出しにして構想するのだ。

一方で、現実には徹底的に悲観的であるべきだ。「この課題は本当に存在するのか?」「顧客はこれを買うのか?」「競合はどう動く?」と、執拗なまでに問いを重ね、仮説検証を繰り返す。

この“楽観と悲観の往復運動”が、イノベーションの核を生む。 希望に満ちたビジョンを掲げつつ、徹底的に現実と向き合いながら、そのギャップを埋めていく──その姿勢こそが、選定を“確信”へと変える。

前例がないなら、“信じたい未来”を選べばいい

**前例がないからこそ、問いは自分で立てなければならない。**そして、その問いを構造化するために必要なのが「ビジョン」である。

**ビジョンとは、社会を自分の価値観で見たときに感じた違和感から生まれる「あるべき姿」だ。**他人がどう思うかではない。「自分はこういう社会を見たい」「この価値観が当たり前の未来をつくりたい」──そうした独善的で、ある種傲慢な意志が、事業の出発点になる。

選定とは、“正しさ”を選ぶことではなく、“信じられる未来”を選ぶことなのだ。

選定は、最初から“確定”するものではない

**ここで誤解してはいけないのは、選定とは“一発勝負の決断”ではないということだ。**アイデアは選ばれるものではなく、「行動の中で磨かれ、淘汰され、絞り込まれていくもの」である。

**最初のアイデアがベストである必要はない。**むしろ、最初は粗くていい。重要なのは「仮説を立てる→行動する→フィードバックを得る」という小さなループを繰り返すことだ。

この反復の中で、手応えがあるもの、顧客の反応があるもの、学びの多いものが自然と残っていく。 選定とは、「磨き続けられる問い」を、見極めていくプロセスなのである。

会社を納得させるのは、資料ではなく“確信”

**前例のないアイデアほど、経営層は不安を感じる。**だからといって、膨大な資料を用意し、「説得」しようとするのは逆効果だ。未来にエビデンスは存在しないからである。

経営者が見ているのは、「この人は本気か?」 「誰よりも顧客を理解しているか?」「この未来を自分が見たいと思っているか?」──それだけだ。だからこそ、他人を動かすためには、まず自分自身が“確信”を持っていなければならない。

確信とは、完璧なロジックではなく、現場での仮説検証と、顧客との対話と、熱量を込めた言葉で築かれていく。 それが、前例のない事業を“組織の意思決定”に乗せるための唯一の道である。

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