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未来に問いを立てるには、どんなフレームワークを使えばいいのか?

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未来に問いを立てるには、どんなフレームワークを使えばいいのか?

Q. 新規事業のアイデア創出において「未来に問いを立てることが重要だ」とよく言われますが、実際にどうやってそれをやればいいのか、イメージが湧きません。未来を考えるときによく使うフレームワークがあれば教えていただきたいです。

  • ︎ 未来の問いは、フレームワークからは生まれない
  • ︎ 情報収集と対話によって、問いは“育てる”もの
  • ︎ パラドックスと生成AIを使い、既存思考の外に飛び出せ

インプットする:未来のヒントは「既に誰かが見ている」

**未来は“予測”するものではなく、“構想”するものだ。**その第一歩は、他者の視点を借りることにある。

まず参考にすべきは、未来について語る専門家や著述家の予測。

SF作家、学者、シンクタンクのレポートなど、未来に関して“真剣に妄想している人たち”の考えに触れることは、自分の思考の範囲を拡張する出発点になる。

ここで重要なのは、彼らが語る未来を「正しいかどうか」で判断しないこと。 未来は正しさではなく、可能性で評価すべきだ。

加えて、今すでに極端な行動をとっている“エクストリームユーザー”の観察も鍵となる。 彼らの行動は、社会全体の10年後の姿を映す予兆だ。

たとえば、AIと会話しながら生活するZ世代や、オンライン空間に“存在の居場所”を移しているVTuberたち。 彼らの習慣や価値観には、未来を描くヒントが詰まっている。

最後に、スタートアップの「実現したい未来」を調べること。

彼らのミッション・ビジョンは、現実の制約を突き破って構想された未来像だ。

未来に問いを立てるとは、この“誰かが先に見ている未来”の断片を集め、再構成していく行為に他ならない。

環境変化をSTEEPで構造化する

**得られたインプットをただ並べても問いにはならない。**ここで活用するのが「STEEP分析」だ。

STEEPとは、社会(Social)、技術(Technological)、経済(Economic)、環境(Environmental)、政治(Political)の頭文字をとったもので、変化を多面的に捉える構造フレームワーク。

大切なのは、「どこが変化しているか」だけでなく、「どの領域同士がせめぎ合っているか」を見ることだ。

たとえば、技術の進化(T)によって「デジタル教育」が可能になる一方で、地方の高齢者には社会的(S)に適応できないというギャップが生まれる。

このように、各因子をマトリクスで掛け合わせていくことで、「未来における摩擦点=問いの種」が見えてくる。

未来の問いとは、変化そのものではなく「変化のズレ」から立ち上がる。 軋みや違和感にこそ、価値ある問いが潜んでいる。

SF思考で“飛躍”させる:ロジックを超えて構想せよ

**ここからが本番だ。**集めたインプットをベースに、SF思考で未来を妄想する。

ここで大事なのは、ロジカルな延長線ではなく、「小説を書くつもり」で飛躍すること。

日常の常識を脇に置き、「この先、もしこうなったら?」 という“ありえそうな異常”を描いてみる。

たとえば、「人間が喋らなくなる社会」「意思決定の半分をAIに任せる経営会議」など。

この段階で活用すべきが、生成AIだ。 自分の思考だけでは限界がある。

生成AIに「2050年、人類が○○している世界を描写して」とプロンプトを投げ、ぶっ飛んだ視点を大量に浴びること。 AIは“異常値生成装置”として活用すべき存在だ。

常識を壊し、可能性を描く。 ここで得たビジョンは、「現実的か?」ではなく「ワクワクするか?」で評価せよ。

理想の未来を言語化する:「誰を、どこへ」連れていくのか?

**描いた妄想を、いったん言語化しよう。**未来とは、ただ訪れるものではない。ボクらで「つくる」ものだ。

**重要なのは、「ボクらは、誰を、どんな未来に連れていくのか?」**という問いに対する答えを持つこと。

その未来が社会にとってどんな意味を持つのか、自分たちはどんな覚悟でそこを目指すのか。 つまり、パーパスとビジョンの言語化だ。

この作業が甘いと、せっかく描いた未来も「誰かの空想」で終わる。 逆に、覚悟をもって未来を描いたとき、その問いには“重み”が生まれる。

顧客も、チームも、巻き込まれていく。

その未来の中で、我々は何者であるべきか?

最後に、問いを「自分ごと」に落とし込むステップだ。

**理想の未来を描いたうえで、「その実現において、我が社は何を担うのか?」**を自問する。これはポジショニングの話ではなく、存在意義の話である。

事業の価値は「機能」ではなく、「未来への貢献」で定義されるべきだ。

このとき、問いの切り口としておすすめなのが“パラドックス”だ。

たとえば「個人化が進む社会で、どうやって共同体を再構築するか?」 というように、矛盾こそが問いの源泉になる。

未来の問いとは、「解決可能な問題」ではなく、「探究せずにはいられない違和感」であるべきだ。

未来とは「育てるべき問い」だ

未来に問いを立てるとは、構造でも、論理でも、戦略でもない。

それは、「飛躍した想像力」と「内発的な使命感」によって、世界に開いた“火種”を発見する行為だ。

問いは、フレームワークから“見つける”ものではなく、対話と試行錯誤で“育てる”もの。

あなたが“育てるべき問い”は、どこに眠っているだろうか?

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